COLUMN
皆さんは「土質改良」という言葉を聞いたことがおありでしょうか。
文字通り土の質を改良することですが、これが防災において大きな役割を果たしているんです。
今回はそんな土質改良について、その必要性に始まり、土質改良の方法、必要な機材に至るまで、隅々まで網羅的にご紹介します。
目次
そもそも土質改良とは、地盤改良技術の一つで、セメントなどの添加材を混合し、軟弱な地盤を強靭な地盤に変える技術です。
ライフラインの維持や災害の抑制を実現するために不可欠で、我々の生活を支える重要な技術の一つです。
道路盛土、鉄道盛土、造成地盛土など、道路をはじめとする建設物を支える土構造物や、河川堤防などの用途に使われる土地に、土質改良は用いられます。
さて、そんな土質改良ですが、防災のために必要不可欠だと言われています。
それは一体なぜなのか、土質改良の必要性についてご説明します。
そもそも土質改良の対象となる土質は、私たちの住む家などの建物、ひいては私たちが暮らす街全体を支える、地盤となる土です。
この地盤が脆弱なままで建築物を建てると、以下のように様々なリスクが起こり得ます。
・地盤の埋め戻しが不十分なために発生する「不同沈下」
・大雨による地盤沈下などの「地盤災害」や、地震発生時の「液状化現象」
特に我が国は世界有数の地震大国ですから、どうしても軽視しがちな地盤にもきちんと目を向け、地盤強化に努める必要があります。
このように、土質改良は、我々が地震大国において穏やかに暮らしていくために不可欠なものなのです。
ここまでで、土質改良とは何か、という説明と、その必要性について書いてきたので、ここからはいよいよ、そんな地盤改良や土質改良の方法について見ていきましょう。
「土質改良」の種類の中にさらに「土質改良」が出てきて、なかなかややこしいですよね。
そこで、この二つの「土質改良」という言葉を使い分けるために、前者を「広義の土質改良」、後者を「狭義の土質改良」と呼ぶことがあります。
「狭義の土質改良」は、最もシンプルな(広義の)土質改良方法で、掘削機で土を掘削したあと、土質改良機で改良する方法です。
浅層改良は、表層改良工法とも言います。
その名の通り、「浅い部分」「表層部分」の改良を目的にした地盤改良工法です。
「浅い」とは、地表から2メートル以内のことをさし、建物の基礎の下にある軟弱地盤全体を、セメント系固化剤を使用して固めることで、地盤強化と沈下抑制を図ります。
浅い部分の工事で済むため、地盤状況・攪拌状況を目視で確認できるなど、施工が簡単で短工期なので、比較的抑え目の費用で地盤改良が可能です。
また、様々な土質に対応可能な点も、メリットの1つといえます。
地盤状況・攪拌状況を目視で確認できる為、作業効率が高く、工期も短くなり、地盤改良の費用を抑えることができます。
深層改良は、最も一般的な地盤改良工法です。
現場の土とセメント系固化剤を混合して地盤内に柱状の補強体を造り、建築物を支える方法なので、「柱状改良工法」とも呼ばれます。
住宅などの小規模建築物から、中層マンションや工場などの中規模建築物まで適用できるので、多くの地盤業者で取り扱われています。
一方で、工法自体が大変シンプルなので、施工業者の経験や技術の差が出やすく、沈下事故発生率が高いというデメリットがある工法ともいえます。
ただし、工法がシンプルであるということで、費用を安く抑えられるというメリットもあります。
天日乾燥は、その名の通り、日光の力を利用して土を乾燥させる工法です。
土石流や土砂崩れが雨の日に起こることからわかるとおり、一般的に土砂は水分を含めば含むほど脆くなってしまうので、乾燥させることには、地盤強化にとって一定の効果があります。
自然の力を使った工法なので環境に優しい半面、土を広範囲にわたって薄く広げるため、かなり広い土地が必要になります。
水分を完全に抜くためには、土を攪拌して、全体的に日光が当たるようにする必要があるため、礫や粘土など、攪拌が可能な小粒な土で構成される土壌に適した工法です。
実際に改良剤が入った袋
以上、土質改良の種類について説明してきましたが、土質改良機を使ったり、セメント系固化剤を混ぜたり、そうすることで、どのようにして土質が改良されるのか、その仕組みについて、明確に説明してなかったので、ここでご説明することにします。
そもそも土質改良の本質は、性質の異なるふたつの土砂、あるいは軟弱な土と固化材などを混合することで、良質な土質材料を作り出すことにあります。
例えば、大きな粒と小さな粒のバランスがいい土砂は、安定性のいい強固な地盤を目的とした良質な土質材料です。
大きな粒の土と小さな粒の土を混ぜ合わせることで、粒度分布がよく安定性が高い土砂が作れます。
また、セメントなどの固化材を土に混合することでも安定性のいい(崩れにくい)強固な地盤に変えることができます。
このように、複数種類の土を混ぜたり、固化剤を土に混ぜたりして、望ましい性質を持った地盤に整えていくことを、総称して土質改良と呼びます。
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ここまでで土質改良の仕組みについて説明してきましたが、セメント系固化剤のように、土質改良の際に使用する材料を、総称して「土質改良材」「地盤改良資材」などと呼びます。
土質改良剤は、土質を改良した結果、どのような性質の土質を作りたいのかによって、いくつか種類がありますので、ここではそれをご紹介します。
セメント系地盤改良資材は、建物の基礎地盤とするのに十分な地耐力がない地盤を軟弱地盤といいますが、この軟弱地盤の安定性を増大させるために使われる資材です。
石灰系地盤改良材は、石灰が起こす水との化学反応を利用して、地盤に含まれる水分量を減らし、地盤の強度を増すことを目的とした資材です。
石灰は、小学校の校庭に白線を引く際の粉に使われるなど、無害で安全な物質なので、その点は安心です。
複合型地盤改良資材は、セメント系と石灰系、双方の物質をバランスよく含んだ資材です。
セメント系地盤改良資材がもつ地盤の安定性増大効果と、石灰系地盤改良資材がもつ固化効果を兼ね備えています。
高分子系改質剤は、含水量が大変多く流動性が高い建設汚泥や掘削廃土、泥状土砂を流動性のない状態に改質、固化することを目的とした資材です。
地盤は、含水量が多く流動性が高いほど不安定になるため、土を固めて流動性を下げる働きをします。
以上、土質改良材は、地盤の地耐力を増したり、含水量を減らしたり、土を固めて流動性を下げたりと、様々な効果を発揮します。
さて、ここまでで、土質改良とは何で、どのように行われるのか、ざっくりとでもご理解いただけたでことでしょう。
残るは、「なぜ土質改良が必要か?」を知ることです。
そのためには、「土質改良を行なわなかったとしたらどんな問題が起こるのか」を知るのがいいでしょう。
そこで、ここからは、土質改良を行わないと起きる問題について、いくつか例を取り上げながらご説明します。
第一に想定されるのが、液状化(現象)です。
液状化現象とは、地震が発生した際に地盤が液体状になる現象のことで、同じ成分・大きさの土で構成される地盤で発生しやすい現象です。
同質の砂でできた地盤は砂の粒子が結びついて支えあっていますが、地震に伴う振動により、地中の地下水の圧力が高くなり、砂の粒子の結びつきがバラバラになって地下水に浮いた状態になります。これが液状化です。
つまり、土質改良を行わず、地盤の含水量が多い状態のままで放置しておくと、この液状化現象が起こりやすくなってしまうというわけです。
液状化が起こると、水よりも重い建物が沈んだり、傾いたりしますし、逆に、水よりも軽い下水道のマンホールなどが浮き上がる場合があります。土質改良を怠ったがために、街中台無し、という事態になりかねません。
不同沈下とは、建物が不揃いに沈下する現象のことをいいます。
建物全体が均等に沈下するのではなくて、一方向にだけ斜めに傾いていきます。
不同沈下が起こると、建物全体に歪が生じるので、建物は大きなダメージを受けることになります。
この不同沈下は、建物の基礎の下の地盤が軟弱地盤である場合に起こります。
ここで、軟弱地盤についても説明しておきます。
建物が地盤の上に立っているとき、建物は地盤を上から押さえつけるわけですが、同時に地盤からも押し返されます。この、地盤が建物を押し返す力を地耐力と呼びますが、この地耐力が弱く、建物が地盤を押す力に負けてしまう地盤を、軟弱地盤と呼びます。
地盤災害とは、地震や大雨などの自然災害に伴って発生する、地盤に関する災害のことを言います。大雨の地盤災害は、このうち大雨に伴って発生するものを指します。
地盤災害には、地滑りや斜面崩壊などがあります。
大雨が降ると、その分土の含水量が上がり、土が吸水できる量を超えると、その自分は液体化し始め、やがて崩れます。
土質改良を怠り、大雨が降る前から地盤の含水量が多いと、この地盤災害が起こりやすくなってしまいます。
このように、土質改良を怠ると、地盤に関する様々な被害が発生しやすくなったり、発生した場合の被害が大きくなったりします。
もちろん、土質改良をしたからといって、地盤に関する被害を完全に食い止められるとは限りませんが、それでもコロナ対策と同様、できうる限りの対策をしておくことは重要です。
土質改良の必要性についてご理解いただけたところで、今度は、その土質改良で使用する
土質改良機にはどんなものがあるのか、ご紹介できればと思います。
1つだけお薦めの土質改良機をご紹介します。
コマツ社の自走式改良機リテラです。
高性能で、幅広い土質に対応できる土質改良機です。
混合モードが4種類あるおかげで様々な分野、土質に対して、最適な混合性能を発揮することができます。
また、操作性にも優れた構造になっているため、比較的簡単に、ハイレベルな機能を利用することができる優れものです。
さて、上記でご紹介したリテラ以外にも、様々な性能を持った自走式土質改良機がたくさん存在します。
これらは通常、各業者が取り揃えて使っていくものになりますが、弊社ではレンタルを行っております。
このレンタル用の土質改良機を使いこなし、自分自身で土質改良をすることが出来れば、費用を安く抑えることが可能になりますので、おすすめです。
また、費用が高いから土質改良をできない、あるいは怠るというケースもままありますので、レンタル式の土質改良機を普及させ、土質改良の費用を抑えることにより、地盤災害の防止にもつながればいいなと考えてもおります。
ぜひ下記をご参照ください。
https://www.shinsei-e.com/lp/883/
以上、土質改良の仕組みや必要性について、お伝えしてきました。
土質改良は地盤災害を防ぐという意味で大変重要なのですが、その費用が高いがゆえに敬遠されがちであるのも事実です。
その場合には、自走式の土質改良機のレンタルをご利用いただくなど、様々工夫を凝らしながら、土質改良をされてみてはいかがでしょうか。
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