
スクリーン(ふるい機)が故障した場合に備えていますか?利用中に動かなくなると、作業が完全にストップしてしまうので困るというケースがほとんどでしょう。稼働中のトラブルを避けるには、日頃からのスクリーン(ふるい機)のメンテナンスが欠かせません。
ここでは、メンテナンスをする際の注意点や故障してしまった場合の対応などについて紹介します。トラブルや故障を避けるための参考としてご覧になってください。
スクリーン(ふるい機)とは
まず、スクリーン(ふるい機)について確認しておきましょう。
ここで紹介するスクリーンとは、物を投入し、特定の物に抽出する機械のことです。「ふるい機」と呼ばれることもあります。建築現場などで利用されることが多く、土や解体ガラなどをふるい分けし、建築資材として再利用できるものを取り出します。
スクリーンは、自走式と固定式の2種類に分類できます。自走式はリモコン操作により動作するので、複数の現場で利用しやすいことが特徴です。利便性の高さから、自走式スクリーンを使っている場合が多いでしょう。プラントのような特定の位置で長期間にわたり使い続ける場合は、処理量が優れている固定式を利用するケースもあります。
自走式スクリーンには複数のタイプがあり、それぞれ異なる特徴を備えています。タイプごとの特徴やメリット・デメリットなどを紹介した記事があるので、そちらもあわせてご覧ください。
スクリーン(ふるい機)の種類|6タイプの特徴について
スクリーン(ふるい機)を使用する場合の注意点
スクリーンを利用する際のトラブルを避けるには、事前に注意する点を確認しておくことが大切です。ここで紹介する注意点を踏まえて、よくある故障を予防しましょう。
目詰まりに注意
目詰まりは、ふるい分け作業でよく発生するトラブルです。網目に投入物が詰まってしまい、きちんとふるい分けが行えなくなるという症状のことで、作業効率にも大きく影響を及ぼします。
目詰まりのトラブルを避けるためには、資材をよく乾燥した状態でふるい分けを行うことが重要です。たとえば土砂などをふるい分ける際に、雨で濡れた状態のまま投入すると、目詰まりが起きやすいので気をつけましょう。
水分を含んだ土砂は注意
前項の目詰まりを踏まえたうえで、水分を含んだ資材のふるい分けを行う場合は、目詰まりを起こしづらい回転型スクリーンを利用するとよいでしょう。
回転型のスクリーンでは、網目を常に洗浄し続けるためのブラシが付いている場合があります。歯ブラシのように、網目を掃除しながらふるい分けを行います。そのため、網目の目詰まりが発生しづらいのです。
混合廃棄物に注意
土砂のふるい分けが得意な回転型のスクリーンですが、万能ではありません。混合廃棄物などのふるい分けでは、目詰まりを起こしてしまうことがあります。その原因は、布やビニールひもです。混合廃棄物に含まれているひも状の資材は、ふるい分けの途中で網目にひっかかり、目詰まりを起こしてしまうことがあります。
ひも状の資材を取り扱う場合は、事前に手作業で仕分けしておきましょう。手間はかかりますが、故障を防ぐことができます。
鉄筋片など鋭利な破片に注意
また、故障するのは金網に限りません。サイドコンベアにヒビ割れなどが発生することもあります。
スクリーンには投入物を運ぶ供給コンベア、ふるい分けしたものを運ぶ排出用コンベアなどが付属しています。鉄筋片のなどの鋭い資材は、このコンベア部分にダメージを与えてしまうので注意が必要です。事前に手作業で鉄筋片を選別しておくことで、トラブルを防ぐことができます。
ふるい材の投入量に注意
駆動用モーターが故障してしまうこともあるので、投入量には気をつけましょう。一度に大量の投入物を処理しようとすると、駆動用モーターに過度な負担がかかる場合があります。適度な量の処理を行うことで、トラブルを避けることができます。
量の調整に加えて、ベアリングをオイルやグリスで潤滑に動くようにしておくグリスアップをすることで、トラブル発生を予防します。
スクリーン(ふるい機)が故障した場合の対応
スクリーンが故障してしまった場合、利用状況に応じた適切な対応を行いましょう。スムーズな対応が、稼働率を損ねることを防ぎます。
専門家に相談する
技術的な理解がある専門家に相談するのがもっとも適切な判断です。購入したものであれば、修理の専門知識があるところへ、レンタル品であれば貸し出し業者へ相談しましょう。
交換が必要な場合は、故障したパーツを取り寄せることになりますが、海外メーカーだと供給ルートが不明確であったり、日本国内に在庫がないために取り寄せに時間がかかったりするケースがあります。もし、まだスクリーンを購入する前の段階であれば、パーツ供給が安定した日本メーカーのものを選ぶことを検討をしてみるのも良いでしょう。
ただし、レンタルのスクリーンであれば、すぐに対応してもらえるかもしれません。貸し出しをしている企業に電話やメールで問い合わせしてみましょう。パーツやスクリーン本体の在庫が残っている可能性があります。
前処理が大切
また、故障を未然に防ぐという考えを持っておくことも重要です。
作業を行う準備として、前処理を適切に行うことで、故障を防ぐことができます。たとえば、先に紹介した土砂をふるい分ける場合でも、乾燥してから投入する場合と水分を含んだ状態で投入する場合とでは、目詰まりの発生率に違いが出ます。
投入する準備となる前処理は、手作業が必要となることもあり、手間がかかります。ですが、スクリーンの故障や動作トラブルが発生した際の対応よりも少ないコストで済むので、前処理はきちんと行いましょう。
確認する特殊作業員が必要
自走式スクリーンはリモコンで操作を行うため、動かしている途中の作業は不要です。ですが、適切に稼働しているか、人の目で確認しておけば、問題が起きたときに即座に対応することができます。コンベヤやローラ、スクレーパなどの状態を確認する特殊作業員を設置しておくと良いでしょう。
適時確認を行うことで、トラブルを予防するだけでなく、稼働率の低下を防ぐこともできます。
スクリーン(ふるい機)を利用する方法
スクリーンを現場に導入するにはいくつかの方法があります。購入するもしくはレンタルするという選択に分けることができますが、それぞれの利点や注意点があるので確認しておきましょう。
新品を購入
利用時のトラブルがもっとも少ないと考えられるのが、スクリーンの新品購入です。パーツの劣化などがないため、故障する心配がありません。
ただし、導入するための費用が大きく、納品に必要な期間が長い場合で半年から1年となることもあります。予算と使用開始までの日数に余裕がある場合に適した選択です。
中古を購入
中古購入では、パーツが劣化している場合があります。目視して判断がつくようなヒビ割れやゆがみがないものを購入するのが理想です。また、購入前に実際に動かしてみるのも適切な判断をする助けとなります。たとえばベアリングの劣化が進んでいる場合は異常音が発生するはずなので、数十分ほど動かして確認しておきましょう。
あわせて前の利用者がどのような手段で利用していたか確認することも大切です。故障がある場合でも、どのような経緯で発生したものなのか知ることができます。また、利用経歴をきちんと把握している優良な販売業者であるかどうか判断する材料にもなります。
レンタル
稼働中のトラブルを避けやすいのがレンタルです。レンタルで提供しているスクリーンは通常、適時メンテナンスが行われています。利用している最中にトラブルが起きた場合でも、サポートを行ってくれる場合があります。利用コストも必要最低限に抑えることができます。
導入方法に迷った場合はレンタルを選ぶと良いでしょう。
まとめ
スクリーンを利用する際に発生しやすいトラブルや注意点について紹介してきました。
故障した場合に相談できる連絡先を控えておくことなども大切ですが、作業を始める準備にあたる前処理も重要です。投入資材をきちんと仕分けることで、スクリーンの故障を予防できます。利用中のトラブルに手間を取られたくない場合は、メンテナンスやサポートが充実しているところからレンタルして導入することがおすすめです。